事業承継の極意
はじめに
中小企業経営者の皆さんは、一定の年齢になって来ると、事業の引き継ぎを考えない経営者はいないでしょう。その事業を行っている会社が優良会社であれば株式の評価をはじめとする財産の評価や、事業承継の際に支払わなければいけない税金の額がいくらになるのかが気になります。また、そうではない大半の会社は銀行からの借入金の担保のために自宅の土地・建物をとられ、その上、社長個人、場合によっては妻や子供達まで連帯保証人にされているのではないでしょうか?
このような中小企業を経営している親の苦労のみを見ている子供達にしてみれば、何も好き好んで、親の事業を継ごうとしなくとも無理はありません。大学を卒業して大企業に入社し、自分の生活が安定している身を投げうって、苦労の見えている中小企業の後継者になろうという奇特な人はいない、といっても良いかも知れません。
しかし、本当に中小企業の経営は、大企業に勤めているよりも不安定なものでしょうか。
今や大企業に勤めていても一生の安定・安心を得られない時代です。平均寿命が延び、定年後の人生が長くなり、年金額も減らされる時代が来ているからです。定年前に肩叩きをされ、親会社から子会社、またその子会社に転勤させられることもあります。
自分の子に後を継いでもらいたいと考える中小企業経営者は少なくありませんが、自分の苦労した苦労を可愛い子供にはさせたくないと思うのも親心というものです。
では、子供に自分のあとを継いでもらうにはどうすれば良いか。
子は親の背中を見て育つ、と言います。親が、毎日毎日を、希望にあふれ、活き活きと働いていれば、子供は親の真似をしたくなります。ですから、経営者は今経営している会社の業績を良くすることです。
業績を良くするというのは、会社の利益を上げることばかりを言うのではありません。まず社長自身が、日常生活と会社の経営を活性化することです。
本稿はそのための実践論です。
その1 事業再生と経営改革支援
企業の発展は多くが経営者の手腕によるところが大きいもの。そういう意味では、次代の経営に、優秀で先見性のある後継者をいかに育成し、確保するかが、経営者の最も重い悩みといえるでしょう。はたして同族に任せるのか、生え抜き幹部の登用か、それとも外部からの招聘か。大変難しい問題です。 また、独自の技術を後世に残し、大きく発展するために、より大きな資本力を持つ企業の傘下に入るという手段もあるでしょう。 当社は、中小企業の事業再生や抜本的な経営改革に取り組み、事業継承問題や発展的M&Aにも有効的な支援を打ち出し、企業の再生支援に懸命に取り組んでいきます。